SQL Serverで清音、濁音、半濁音、拗音を区別せずに文字を検索する方法

はじめに

日本語の文字列検索において、清音(例:か)、濁音(例:が)、半濁音(例:ぱ)、拗音(例:きゃ)を区別せずに検索することは、ユーザーエクスペリエンスの向上やデータベースの柔軟性を高めるために重要です。この記事では、SQL Serverでこれらの音を区別せずに検索するための対策方法を紹介します。

日本語の音に関する問題

日本語のかな文字には、清音、濁音、半濁音、拗音などがあります。例えば、「か」と「が」は異なる文字として扱われますが、ユーザーが検索時にこれらの違いを意識しないケースがあります。このため、これらの文字を区別せずに検索できる方法が必要となります。

COLLATEを使用した検索

SQL Serverでは、COLLATE句を使用して、検索時の文字列比較のルールを指定できます。Japanese_CI_AIなどの照合順序を使用することで、かなの比較を柔軟に行えます。

COLLATION(照合順序)とは

**コレーション(Collation)**は、データベース内で文字列を比較・ソートする際のルールを定義する設定です。コレーションには以下のような属性があります:

  • 言語設定:日本語、英語など、特定の言語に合わせた比較ルールを定義します。
  • 大文字小文字の区別(Case Sensitivity)
    • CI(Case Insensitive):大文字小文字を区別しない。
    • CS(Case Sensitive):大文字小文字を区別する。
  • アクセントの区別(Accent Sensitivity)
    • AI(Accent Insensitive):アクセントを区別しない。
    • AS(Accent Sensitive):アクセントを区別する。
  • かな区別(Kana Sensitivity)
    • KI(Kana Insensitive):ひらがなとカタカナを区別しない。
    • KS(Kana Sensitive):ひらがなとカタカナを区別する。
  • 幅区別(Width Sensitivity)
    • WI(Width Insensitive):全角と半角を区別しない。
    • WS(Width Sensitive):全角と半角を区別する.

清音、濁音、半濁音、拗音の区別を制御するためには、適切なコレーション設定を選択することが重要です。

Japanese_CI_AIの意味

Japanese_CI_AIは以下の特性を持つコレーションです:

  • 言語設定:日本語
  • 大文字小文字の区別:区別しない(Case Insensitive)
  • アクセントの区別:区別しない(Accent Insensitive)
  • かなの区別:デフォルトでは区別しない
  • 幅の区別:デフォルトでは区別しない

このコレーションを使用すると、清音、濁音、半濁音、拗音を区別せずに検索を行うことが可能になります。

実際の使用例

テーブルとデータの準備

まず、サンプルのテーブルとデータを用意します。

CREATE TABLE KensakuTest (
Id INT PRIMARY KEY,
Name NVARCHAR(100)
);

INSERT INTO KensakuTest (Id, Name) VALUES
(100, N'はひふへほ'),
(101, N'ぱぴぷぺぽ'),
(102, N'ばびぶべぼ'),
(104, N'ハヒフヘホ'),
(105, N'パピプペポ'),
(106, N'バビブベボ'),
(107, N'ハヒフヘホ'),
(108, N'パピプペポ'),
(109, N'バビブベボ'),
(110, N'きゃきゅきょ'),
(111, N'ぎゃぎゅぎょ'),
(112, N'キャキュキョ'),
(113, N'ギャギュギョ'),
(114, N'キャキュキョ'),
(115, N'ギャギュギョ');

COLLATEを使用した検索

検索方法①:フィールド全体

SELECT * FROM KensakuTest WHERE Name COLLATE Japanese_CI_AI = 'はひふへほ' or Name COLLATE Japanese_CI_AI = 'きやきゆきよ';

結果

100	はひふへほ
101	ぱぴぷぺぽ
102	ばびぶべぼ
104	ハヒフヘホ
105	パピプペポ
106	バビブベボ
107	ハヒフヘホ
108	パピプペポ
109	バビブベボ
110	きゃきゅきょ
111	ぎゃぎゅぎょ
112	キャキュキョ
113	ギャギュギョ
114	キャキュキョ
115	ギャギュギョ

検索方法②:フィールドの先頭

SELECT * FROM KensakuTest WHERE Name COLLATE Japanese_CI_AI Like 'はひ%' or Name COLLATE Japanese_CI_AI Like 'きや%';

結果

100	はひふへほ
101	ぱぴぷぺぽ
102	ばびぶべぼ
104	ハヒフヘホ
105	パピプペポ
106	バビブベボ
107	ハヒフヘホ
108	パピプペポ
109	バビブベボ
110	きゃきゅきょ
111	ぎゃぎゅぎょ
112	キャキュキョ
113	ギャギュギョ
114	キャキュキョ
115	ギャギュギョ

検索方法③:フィールドの一部分

SELECT * FROM KensakuTest WHERE Name COLLATE Japanese_CI_AI Like '%ひふ%' or Name COLLATE Japanese_CI_AI Like '%きゆ%';

結果

100	はひふへほ
101	ぱぴぷぺぽ
102	ばびぶべぼ
104	ハヒフヘホ
105	パピプペポ
106	バビブベボ
107	ハヒフヘホ
108	パピプペポ
109	バビブベボ

完全一致や先頭からの一致検索は問題ないが、一部一致の検索では拗音マッチングされません。

まとめ

SQL Serverで清音、濁音、半濁音、拗音を区別せずに検索するには、COLLATE Japanese_CI_AIを使用することが効果的です。ただ一部一致の検索では拗音上手く動作しない問題あるようです。解決策わかる方コメントで教えていただけたら幸いです。

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